「今の顧問税理士で大丈夫?」契約見直しのサインと、後悔しないための切り替え術
――会社の成長を止めないために、税理士選びの“良いとこどり”を
鹿児島で税理士をしております、鯵坂です。
社長のあなたは、会社の未来を左右する重大な決断を、日々いくつも下しています。その中で、「この税理士事務所で本当に大丈夫かな?」と、ふと疑問に感じたことはありませんか?
経理や税務は、会社経営の土台となる部分です。だからこそ、信頼できるパートナーである税理士選びは非常に重要。しかし、一度契約すると、なかなか切り替えを考えるのは億劫なものです。
「今の税理士が悪いわけじゃないんだけど…」「長年のお付き合いだから、言いにくい…」そう考えて、我慢してしまっている経営者の方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、もしあなたの会社が今、成長フェーズにあり、新たな経営課題に直面しているのなら、顧問税理士との関係を見直すことは、会社の未来をより良くするための「戦略的な一歩」となる可能性があります。
この記事では、「顧問税理士を変えるべきか」と迷っている経営者の皆様のために、契約を見直すべき具体的なサインと、スムーズに、そして後悔なく税理士を切り替えるためのポイント、そして当事務所の「良いとこどり」なサービスについて、税理士の立場から正直にお伝えします。
1.会社の成長を妨げる?顧問税理士を見直すべき7つのサイン
まず、自社の顧問税理士との関係性を見直すべきかどうか、具体的なサインを確認してみましょう。以下のような状況に当てはまる場合、税理士が会社の成長の「足かせ」になっている可能性があります。
サイン1:決算書・試算表の説明が不十分、または渡されるだけ
毎月の試算表や決算書は、会社の健康状態を示す重要な資料です。しかし、単に数字が羅列された書類を渡されるだけで、具体的な経営判断につながる分析やアドバイスがない場合、「数字をどう見ればいいのか」「次の打ち手はどうすべきか」が分かりません。
「今月は粗利が下がっていますね」で終わり、なぜ下がったのかの原因分析や、具体的な対策案の提示がないのであれば、税理士としての付加価値は低いと言わざるを得ません。
サイン2:質問へのレスポンスが遅い・的確でない
経営のスピードは非常に重要です。緊急性の高い相談や、日々の業務で生じた疑問を投げかけても、返信に時間がかかったり、質問の意図を汲み取ってもらえず堂々巡りのやり取りになったりすることはありませんか?
また、チャットツールやオンライン会議など、最新のコミュニケーション手段に対応しておらず、連絡手段が電話やメール、対面に限られることも、スムーズな意思決定を妨げる要因になります。
サイン3:ITツール(クラウド会計など)の導入に消極的
経理業務の効率化やペーパーレス化を提案しても、「うちは紙で十分」「慣れた方法が一番」と、新しいツールの導入を拒否されるケースです。
税理士事務所側が古いシステムや手法に固執していると、顧問先企業もそのアナログな業務フローに合わせざるを得ません。結果として、自社の生産性が上がらず、リアルタイムな経営数値の把握も遅れてしまいます。
サイン4:経営の将来に関する相談に乗ってくれない
経営者の最大の関心事は、将来の会社の成長です。しかし、税理士が「税金屋」としての機能に終始し、節税の話ばかりで、事業計画の策定、資金繰りの改善、将来的な事業承継やM&Aといった経営戦略に関する相談ができない場合、会社の成長をサポートするパートナーとは呼べません。
サイン5:担当者が頻繁に変わる、または担当者の専門性に欠ける
税理士事務所の職員が頻繁に入れ替わると、その都度会社の状況を一から説明する必要があり、業務効率が悪くなります。また、担当者が特定の業種に詳しくなかったり、複雑な税務に精通していなかったりすると、的確なアドバイスが得られず、不安を感じる要因となります。
サイン6:節税提案がいつも同じ、またはリスクの高い提案が多い
会社の状況や将来の資金ニーズを見据えず、画一的な節税策ばかり提案されるケースです。また、税務調査で否認される可能性のあるグレーゾーンな節税を安易に勧められる場合も要注意です。
本来の節税は、会社の成長のための「資金を残す」手段であり、リスクとリターンのバランスを考慮する必要があります。
サイン7:顧問料に見合う価値を感じられない
上記のような不満があるにもかかわらず、漫然と顧問料だけは支払っている状態です。顧問料も重要な経営コストの一つです。支払っている費用に対して十分なサービスや価値(安心感、成長への寄与、コスト削減など)が得られているか、定期的な検証が必要です。
2.「切り替えたい」と思ったら、まずやるべきこと:最適な税理士選びのために
上記のサインに当てはまり、「顧問税理士を変えたい」と思ったとしても、焦りは禁物です。後悔のない選択をするためには、事前の準備が不可欠です。
ステップ1:現状の課題と「新しい税理士に求めること」を明確にする
まず、なぜ今の税理士を変えたいのか、どんな課題を解決したいのかを具体的にリストアップしましょう。
そして、新しい税理士に期待するサポートを、「記帳代行」「税務申告」「資金繰り相談」「事業計画作成」「IT導入支援」「人事労務連携」など、優先順位をつけて整理します。
これらを明確にすることで、新しい税理士とのミスマッチを防ぐことができます。
ステップ2:新しい税理士に求める「条件」を整理する
- 専門分野: 自社の業種(飲食、建設、医療など)に詳しいか、強みとしているか。
- IT対応: クラウド会計(freee/MF会計/弥生会計)、チャットツール(Chatwork/Slack)などの活用度。
- コミュニケーション: 訪問頻度、オンライン対応、担当者との相性。
- サポート範囲: 税務だけでなく、融資・補助金、経営コンサル、人事労務など、どこまで対応可能か。
- 料金体系: 後述する3タイプを参考に、自社に合うのはどのタイプか。
ステップ3:情報収集と面談で比較検討する
ウェブサイト、紹介、SNSなどで候補となる税理士事務所を探し、必ず複数社と面談しましょう。面談では、自社の課題を伝え、具体的な解決策を提案してもらえるか、担当者との相性はどうか、事務所の雰囲気はどうかを自分の目で確かめることが重要です。
料金だけでなく、総合的な「価値」で判断しましょう。
3.「求めるサービス」と「料金」の現実:税理士事務所の3つのタイプ
社長の皆様が顧問税理士に求めることは多岐にわたります。
「毎月会社に来てほしい」「会計ソフトへの入力も全部任せたい」「融資の相談や事業計画書、資金繰り表の作成もお願いしたい」「もちろん節税も最大限に」「さらには人事労務の相談まで…」
これら全ての要望を「オールイン」で提供するとなると、当然ながら顧問料は高額になります。 サービスと料金はトレードオフの関係にあることを理解しておく必要があります。
税理士事務所の料金体系は大きく分けて以下のパターンがあります。
- ① オールイン型: 基本顧問料に記帳代行、税務相談、決算申告などが含まれ、融資支援や事業計画作成なども手厚く対応してくれる。料金は高めだが、手厚いサポートと安心感が得られます。
- ② オプション選択型: 基本顧問料は抑えめで、記帳代行、給与計算、融資相談、資金繰り表作成、人事労務連携など、必要なサービスを必要な時だけオプションで依頼できる柔軟性が特徴です。
- ③ 基本処理特化型: 税務申告や記帳チェックなど、基本的な税務処理に特化しているため、料金が非常にリーズナブル。ただし、経営相談や付加価値の高いサービスは提供していない、または別料金で高額になる場合があります。
あなたの会社が「どこまで税理士に任せたいのか」「何に最も価値を感じるのか」を明確にすることで、費用対効果の高い税理士選びが可能になります。
例えば、
- 「とにかく安く最低限の税務申告だけ」なら③の事務所が候補になるでしょう。
- 「税務から資金繰り、将来の事業戦略まで一貫して任せきりにしたい」なら、①のオールイン型を検討する価値があるでしょう。
- そして、「日常の経理や税務処理は正確かつ迅速に対応してほしい。その上で、経営課題が出てきた時には専門家として深く相談に乗ってほしい」とお考えなら、②のオプション選択型の事務所が、あなたの会社の成長ステージや具体的なニーズに合わせて、最も効率的かつ高品質なサポートを提供できる可能性が高いでしょう。
重要なのは、「今の自社に本当に必要なサービスは何か」を明確にすることです。それが分かれば、適正な料金で最適な税理士を見つけることができるでしょう。
4.スムーズに、そして円満に切り替えるための注意点
いざ新しい税理士に切り替えるとなると、トラブルなくスムーズに進めたいものです。ここでは、円満な切り替えのための注意点をお伝えします。
注意点1:顧問契約書を必ず確認する
契約解除の申し入れ方法、解約予告期間(通常1ヶ月~3ヶ月)、資料返却の時期などを確認しましょう。契約内容によっては違約金が発生する場合もあるので、注意が必要です。
注意点2:切り替えのタイミングを見計らう
最もスムーズなのは「決算期後」です。前税理士が担当する期が完全に終了するため、資料の引き継ぎが明確になります。会計期間の途中でも可能ですが、前税理士との精算や、引き継ぎ作業が少し複雑になる場合があります。
注意点3:資料の引き継ぎをリストアップし、漏れなく行う
決算書、申告書、総勘定元帳、仕訳帳、契約書控え、各種税金関連書類、銀行取引明細、領収書など、必要な書類やデータを漏れなく引き継ぎます。可能であれば、新旧税理士間で直接連絡を取り合ってスムーズに進めるのが理想です。
注意点4:後任の税理士に事前に相談する
切り替えを検討している段階で、新しい税理士に正直に相談し、引き継ぎの流れや注意点についてアドバイスをもらいましょう。当事務所でも、切り替えに関するご相談を承っています。
注意点5:感情的にならず、丁寧なコミュニケーションを心がける
長年お世話になった税理士への感謝を伝え、円満な形で関係を終えることが、後のトラブル回避につながります。解約理由を伝える際は、「当社の事業展開に合わなくなってきた」など、ポジティブな理由を伝えると良いでしょう。
5.まとめ:新しい税理士との出会いは、会社の成長を加速させるチャンス
「今の顧問税理士で大丈夫?」という疑問は、会社が次のステージへ進むための大切なサインです。惰性で関係を続けるのではなく、自社の成長と課題に合わせて最適なパートナーを選ぶことが重要です。
税理士選びは、単なるコストではなく「未来への投資」です。
当事務所は、お客様の日常の税務・経理業務を正確かつ効率的に処理するだけでなく、
お客様の成長フェーズや具体的な課題に合わせて、柔軟なサポートを提供できる「オプション選択型の事務所」です。
・クラウド会計導入支援や業務効率化提案
・融資・補助金支援、事業計画書作成
・給与計算や年末調整、人事労務相談(提携社労士との連携含む)など
お客様のニーズに応じた多様な業務を、経験豊富なチーム担当制で質の高いサービスをご提供いたします。
これは、「基本処理の確実性・効率性」と「専門的なアドバイス」の両方を求める経営者様にとって、まさに“良いとこどり”のサービスを提供できる体制だと自負しております。
「今の税理士で本当にいいのかな?」そう感じた時は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。
あなたの会社にとっての最適なパートナーシップを、一緒に見つけましょう。