【実録】AI税理士に「これ経費で落ちる?」と聞いたら、カオスな修羅場になった話。

【自作アプリ公開】「3人のAI税理士」に同時に相談できるツールを作ったら、税務の”危険な真実”が浮き彫りになった話


――YouTubeやAIで「答え」は拾える時代。でも、その情報の「責任」は誰が取るんですか?

こんにちは、税理士の鯵坂です。
突然ですが、皆様は税金のことで迷ったとき、どうしていますか?

一昔前なら顧問税理士に電話をしていましたが、今は違いますね。
YouTubeで検索すれば「経費にする裏技」が溢れ、書店には「税金を払わない方法」といった刺激的なタイトルの本が並び、ChatGPTに聞けばもっともらしい回答が3秒で返ってきます。

知識を得るハードルは劇的に下がりました。それは素晴らしいことです。
しかし、税理士として、そして一人の経営者として、私は今の状況に強烈な危機感を抱いています。

「その情報、誰が責任を取ってくれますか?」

この問いへの答えを体感していただくために、あえて皮肉とユーモア、そして真剣なメッセージを込めたWebアプリを開発しました。
その名も、『うちの3人の税理士に聞いてみた』です。

1. アプリの概要:同じ質問なのに、答えがバラバラ?

このアプリのコンセプトは非常にシンプルです。
あなたが入力した一つの税務相談に対して、「スタンスの異なる3人の架空税理士(AI)」が、それぞれの視点から同時に回答するというものです。

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登場する3人のクセ強な税理士たち

  • 是認 まもる(肯定派):
    経営者の味方。「いかにして経費として認めるか」というロジックを積み上げるのが得意。イケイケな回答をしがちですが、たまに危なっかしい一面も。
  • 否認 ただし(否定派):
    まるで税務調査官。「否認リスク」を最優先に考え、少しでもグレーなものは「ダメです」と切って捨てる。安全ですが、節税にはなりません。
  • 留保 さだし(中立派):
    慎重な実務家。「条件次第ですね」「実態によります」と、正確ですが煮え切らない回答をする。

例えば、「自宅のパソコンを経費にできますか?」と聞いてみてください。
是認まもるは「業務比率を出せばいける!」と言い、否認ただしは「プライベート兼用なら全額否認のリスクがある」と警告し、留保さだしは「合理的な按分基準があれば…」と濁します。

2. なぜこのアプリを作ったのか?「正解」の危うさ

このアプリを使うと、多くのユーザーはこう感じるはずです。
「結局、どっちなの? 答えを教えてよ!」と。

実は、その「モヤモヤした感覚」を持ち帰ってもらうことこそが、開発の最大の目的です。
世の中に出回っている「税金ハック」のような情報は、多くの場合、この3人のうちの「誰か一人」の意見を切り取ったものに過ぎません。

税務に「絶対的な白黒」は少ない

税法は法律ですが、その適用には「解釈」の余地があります。
「事業に関連性があるか?」「妥当な金額か?」「実態はどうなっているか?」
これらは、会社の状況、業種、売上規模、そして経営者の過去の行動によって、白にも黒にもなり得ます。

YouTubeで「これは経費になる!」と言っていたとしても、それは「そのYouTuberの状況(あるいは再生数を稼ぐためのポジショントーク)」においては正解かもしれませんが、あなたの会社で税務調査が入った時に通用する保証はどこにもありません。
このアプリで3人の意見が割れる様子を見ることで、「税務判断というものは、見る角度によってこれほど変わるのだ」という現実を知っていただきたいのです。

3. 最も重要なのは「問いの立て方」である

このアプリを使っていると、もう一つ重要なことに気づきます。
それは、「質問の仕方を変えると、3人の回答も変わる」ということです。

例えば、単純に「旅行代は経費になりますか?」と聞けば、否認ただし先生に「個人的な旅行はダメです」と一蹴されて終わります。

しかし、問い方を変えてみます。
「新規事業の視察のために現地法人を訪問し、商談議事録と現場写真、往復の航空券の領収書を残しています。この旅費は経費になりますか?」

こう聞けば、おそらく否認ただし先生でさえ「事業遂行上、直接必要である客観的証拠があるなら認められる可能性が高い」と答えるでしょう。

「Can I ?(できますか?)」から「How to ?(どうすれば?)」へ

AIやネット検索を使う人の多くは、「これはOK?NG?」という○×クイズの答えを求めがちです。
しかし、経営において重要なのは、「今のままだとNGだが、どのような事実を積み上げ、どのようなロジックを組み立てればOKになるか(=事業活動として認められるか)」という戦略の構築です。

単発の質問をAIに投げかけて「経費にできるって言われたから安心」と思っているとしたら、それは非常に危険です。
AIは文脈を読みません。あなたの会社の過去の否認事例も知りません。そして何より、AIは税務調査であなたを守ってはくれません。

4. 開発後記:AIを飼いならすということ

少し技術的な話をすると、このアプリはGoogleのGemini APIを活用して開発しました。
開発にあたって私が最も注力したのは、プログラミングコードではなく、3人のキャラクターへの「プロンプトエンジニアリング(指示出し)」です。

「否認ただし」には、国税庁のタックスアンサーのような堅苦しさと、リスクを過大に見積もる保守性を。
「是認まもる」には、ベンチャー社長のような前のめりな姿勢と、拡大解釈の危うさを。

これらを調整しながら感じたのは、「AIは鏡である」ということです。
こちらが「こういう答えが欲しいんだろう?」という意図を持って接すれば、AIは驚くほどその意図に沿った(偏った)回答を出してきます。つまり、自分の都合の良い解釈をAIに「言わせる」ことは簡単なことなのです。

だからこそ、AIの回答を鵜呑みにするのではなく、このアプリのように「複数の視点」を強制的に比較させることが、思考のバイアスを防ぐために有効だと確信しています。

5. 最後に:責任を取れる「パートナー」を選んでください

情報が民主化された今、税理士の役割は「知識を教えること」ではなくなりました。
知識はAIが持っています。判例も検索できます。

では、我々プロフェッショナルの価値は何か。
それは、「問いを正しく立てること」、そして「判断の責任を分かち合うこと」です。

AIやネット記事は、あなたが追徴課税を受けても1円も払ってはくれません。
「AIがOKと言った」は税務署には通用しません。

このアプリ『うちの3人の税理士に聞いてみた』は、あくまでエンターテイメントであり、思考実験のツールです。
ここでの結果を見て、「なるほど、こういうリスクがあるのか」「こういう理屈なら通るかもしれないな」と当たりをつけた上で、最後は必ず、あなたの顔を見て、あなたの事業の将来を一緒に考え、申告書にハンコを押す覚悟を持った「生身の税理士」に相談してください。

もちろん、それが当事務所であれば、これほど嬉しいことはありません。
私は「是認まもる」のような攻めの姿勢も、「否認ただし」のような守りの視点も理解した上で、経営者であるあなたにとっての「最適解」を一緒に導き出すことをお約束します。

まずは、AI税理士たちとの問答を楽しんでみてください。そして、その先にある「本物の対話」の必要性に気づいていただければ幸いです。

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※本ツールはAI(Gemini)を使用しています。回答内容は参考程度に留め、実際の税務申告等の判断は必ず税理士にご相談ください。