会計帳簿は、日々の取引やお金の流れ、資産などの財務状態を記録するものです。決算や確定申告のもとになるため、取引の記録と資料の保存を続ける必要があります。
主要簿と補助簿
主要簿には仕訳帳と総勘定元帳があります。仕訳帳には発生日、借方・貸方の勘定科目、取引内容、金額を記録します。総勘定元帳では、勘定科目ごとの取引と残高を確認できます。
補助簿は、主要簿の内容を補う帳簿です。たとえばA銀行とB銀行の普通預金を総勘定元帳にまとめている場合、各銀行の預金出納帳を作ると、口座ごとの取引と残高が分かります。
補助簿の種類
| 帳簿名 | 記録する内容 |
|---|---|
| 現金出納帳 | 事業用の現金の出し入れ |
| 預金出納帳 | 金融機関の口座ごとの入出金 |
| 小口現金出納帳 | 日常の少額の現金の出入り |
| 仕入帳 | 取引日、仕入先、内容、金額 |
| 売上帳 | 取引日、売上先、内容、金額 |
| 支払手形記入帳 | 支払手形の増減 |
| 受取手形記入帳 | 受取手形の増減 |
| 商品有高帳 | 商品の在庫状況 |
| 仕入先元帳・買掛金元帳 | 仕入先ごとの掛買いと支払い |
| 得意先元帳・売掛金元帳 | 得意先ごとの掛売りと回収 |
| 固定資産台帳 | 資産の名称、取得日、取得原価、償却開始日、使用寿命、償却方法、累計償却額、異動 |
小口現金出納帳を現金出納帳の一部として扱う場合や、部署・支店ごとに作る場合もあります。
帳簿を付けない場合のリスク
事業規模や青色・白色の申告方法に関わらず、事業者には記帳義務があります。青色申告は原則として複式簿記、白色申告は単式簿記で記帳できます。青色申告で10万円の特別控除を受ける場合も、単式簿記が可能です。
帳簿がなければ収支や資産を把握しにくく、経営判断に支障が出ます。仕入先・得意先の記録が不十分だと、支払いや債権債務の管理が難しくなり、取引先との信用にも影響します。
会計帳簿に記載すべきことを記載せず、または虚偽の記載をした場合、会社法976条1項7号により100万円以下の過料が科される可能性があります。税務調査で申告の根拠となる帳簿・資料を提示できないと、追徴課税につながる可能性もあります。
記帳の手順
- 取引が発生したら、請求書、領収書、銀行明細などを集めます。
- 内容を確認し、売上高、仕入高、消耗品費などの勘定科目へ分類します。
- 借方と貸方の科目・金額を仕訳帳へ記録します。借方は資産・経費の増加や負債・収益の減少、貸方は負債・収益の増加や資産・経費の減少を示します。
- 仕訳帳の内容を総勘定元帳や補助簿へ転記します。
- 試算表を作り、借方と貸方の合計が一致するかを確認します。
決算期には、試算表から損益計算書や貸借対照表を作成します。販売管理システムと会計ソフトを連携し、取引データを自動で送ると、入力の手間を減らせます。
帳簿の保存期間
法人税法の帳簿保存期間は、確定申告書の提出期限の翌日から7年間とされています。欠損金額などが生じた年度は10年間です。青色・白色申告者の保存期間は、確定申告期限の翌日から起算して最長7年間です。電子的な形式の保存も含まれます。
自社で記帳するか、外注するか
自社で作成する場合、支店・部門の追加や予算・損益の管理など、処理の方法を調整しやすい利点があります。一方、採用・教育の費用と時間、入退社・休職への対応が必要です。知識や二重確認の時間が不足するとミスが起きやすく、担当者だけが処理を知る状態にもなりやすい面があります。
外注すると、人件費や入力の時間を見直し、専門知識のある担当者へ依頼できます。営業日・時間によっては緊急対応が難しく、独自の要件に合わせた変更に制約がある場合もあります。
記帳代行の範囲と費用を確認し、社内に残す仕事を検討してください。